彼女は名前をアンジーと言う。日本人でOLで26歳。普通体系普通顔。笑顔はでもなかなかいい。
毎朝の満員電車で彼女は今朝もたえている。
満員電車歴が長い。
大切なのは足だよ足。
アンジーはどうでもいいことを長く話すくせがある。
くっそ細かいことを長々話す。空気読まない。
これはアンジーの同期入社の栗山くんの言葉。
「まずねなんとか中へ入るがいいね。入り口近くとそのラインはどんどん詰め込まれる。
 あのエリアは常に臨界点を超えてる。毎日記録更新。ぴっとりよぴっとり!
 それは避けたい。おっさんがムリだもんねわたし。
 おっさんがムリじゃなくなったときおばさんだろうねきっとね。
 で、だからよ、中へ入るわけ。
 ふさいでるおっさんとかOLとかくぐると意外にすいてるから。
 そうそんでもぐれたら、立ち位置でしょ。大事なの。それは分かるよね。
 つり革はもう空いてないでしょ。そこまでは望めないしょうがない。
 で、そこでだよ、大事な足のとり方ね。
 肩幅より少し広く、そして斜めに!
 これで前後左右の揺れに対応できるからね!」
・・・・・
あー、どうでもいー
でも、今朝も彼女は足を踏ん張って満員電車に乗っている。
oasisを聞きながら星のことを考えている。
Callin' all the stars to fall and catch the sunlight in your hands.
今日は良い天気で空は青く白い雲ちらほら。
とてもぼんやりしながら、考えていた。




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