ピンクなそれは


 最近1号に彼女が出来たことを2号は知っている。
 2号はエロースに大変鼻が利くので、たとえば誰かと誰かが
 内緒で付き合ってるだとかがすぐに分かる。
 ちょっとすれ違った瞬間の視線の交わし方とか、
 名前の呼び方とかで分かっちゃうんですねー。
 そして内緒にしたい人たちのそれを、親の仇のごとく
 バラしてゆくのが2号。悪気ありありカクシンハン。

 そんなんなので、1号に恋人が出来たときなんかは
 脱皮するほどショックを受けた(だってさ、おんなしよーに
 友達いない組だったのにさ、なんでなんでアイツだけ彼女出来ちゃうわけ!?)
 そしてその瞬間(たぶんあまりのショックに)大声でプギーと
 叫ぶガメラみたくダミ声で
 「うぁぁぁぁ!!1号とナカマリが!!セックスーーーー!!」
 と叫び、みんなの知れるところとなった。
 まあ別に、隠してなかったんですけど。

 それである日、1号と同じバスに乗り合わせた2号は
 鼻息に激しく鼻毛をふわらせながら1号に聞くのだ。

  「やったんか!?」

 あーあ、まったく2号の頭ん中ってそればっか?
 それでまあなんつーか冷静で大人な1号は
 軽く2号をスルーするわけですよ。それで2号、
 「おれは・・・おれは・・彼女がほしーーんだ!
  もうメカビロン(正式名称Sexy Meka-bira Salon)はヤなんだよぉぉ!」
 切ない主張がバス内に響く。中身はどうあれ、2号って素直なヤツだよなあ。

  バスはちょうどPINK-birabira通りを走っている。
 PINK-birabira通りはその名のとーり、
 ピンクでエロでイヤラシー店が並ぶストリート。
 20年前、当時のラビットマント総理が
 「性犯罪の防止は健全な風俗産業にアル」と発言し
 即座に取り決められた法案により、年齢別風俗産業は
 アメンボみたいなスバヤサで広がり成長した。

 正しい独り処理、正しい避妊、様々なフェチを満足させる
 開放された店。同性愛好者もロリータコンプレックスも
 ニッカリ満足!健全でじゅーじつした風俗業!!

 ちなみに2号が言ったメカビロンってのは、
 高性能・多機能のメカ道具班だよ。ま、アレです。
 それはたいてい2号のバイト仲間(神と話す男と噂されてる)
 に誘われて行くんだけどさ、実はそいつほど2号は好きではない。

 あーそうそう2号の仕事は、ペットボトルを見続け、テキトーにハネるとゆう、
 それはもう2号らしい協調性ナッシングオーライな仕事。
 ※どんだけ技術が進んでも、社会のハネられ組のために
  そーゆう仕事ってなくならないもんです。
  あ!仕事と働く人がリンク!ハネてーハネられールーラララー

 えーと、それでまあ、2号と同じくらいか、それ以上に協調性の
 ない、エロイその彼は、メカビロン愛好者。大好きみたいです。
 でもさー、実際「愛」ってやつ?よく分かんないけどさ、
 それは機械じゃ得らんないのは確か。
 また、生身の女の子であっても、店の子からは得らんない。

 「おれが欲しいのは愛!!そしてエロ!!どっちもなんだよ!」
 2号が涙ぐんで言うもんだから、クールな1号も少々情を揺さぶられた。
 幼稚園児に例のツボをピンポイントで突かれ「あぁん」と変な声で
 昇天する横綱、くしゃみで倒れる組体操、
 1箇所くずれるとなしくずしに落ちる砂山、
 温暖化で上がる海面、絶滅寸前のイリオモテヤマネコ、
 そんな感じで動いた1号の情。でも1号は思った。

 『オレが同情して2号に彼女が出来るわけでなし』

 イエース正しい!それはほんとそのとーり!それでこそ1号!
 そして言った「2号鼻毛出てるよ」
 実質的だなぁ 鼻毛出てたら彼女できにくいかもだしねぇ。
 しかし1号の心のイリオモテヤマネコなドラマなど知る由もない2号は
 「わ――――!1号のバカ!階段から落ちて死んじゃえ!」
 と顔を真っ赤にして言って、そしてバスを降りた。

 「あーあ、アイツまた店行くのか。ちょっとは金貯めろよ」
 1号を乗せたバスはPINK-birabira通りを歩く2号を追い抜いて走る。

 時はちょうど夕暮れ時。PINK-birabira通りは夕日で更にピンクに染まり、
 もちろんそこをゆく2号の姿もピンクに染まってたってさ。おわり

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