コメとミリ(8)

ミリがエジソン屋で薄気味悪い連中相手に薄気味悪い書籍やアイテムを売りさばいているころ、僕は新しい会社でしこしこと版下を作成したり、きれーな婦人が写っている写真を加工して心霊写真を作成したり、僕より年下のバイト達にDTP業界の嘘情報を入力したりしていた。

僕の新しい職場はタウン誌の編集部であった。
あの今流行の、フリーペーパーでクーポンが付いてるやつ。

とても小さい会社で、営業5人、製作部3人、それから経理などに3人いる。それらは全て社員で、あとは若いバイトが何人か出入りしているが、締め切り前のくっそ忙しい日々を体験したら辞めちゃう人もいたし、あと4日も風呂に入れないなんていやだあ!とゆう理由から辞めちゃう人もいた。
それでもしぶとく続けているバイトの人たちは3人くらいになってしまった。
あとの殆どは入れ替わりが激しすぎて僕は名前を覚える間もなくどこかに行ってしまった。
しぶとく残って頑張っているバイトの子らは柊くん、日置さん、山田くんとゆう名前だったが僕はどうせ辞めちゃうんだろとたかを括っていたので、入ったばかりの当時からバイトーと呼んでいた。しかし結果もう三ヶ月も続いている彼らにいい加減本名で呼んでやろうかな…と思ったときに僕はふと思ったのだ。

名前、なんだっけ
と。

僕はその後も結局名前を全く覚えられなかったのでそれぞれに1号(柊くん)2号(日置さん)3号(山田)とゆう名を付与した。
山田くんに至っては「覚えられるでしょ!」ち詰め寄って来たが、「いや、同期の君らの中で君だけ名前で呼ぶわけにはいかん。な、わかってくれ3号」
と説明し了解を得た。
この三人はとても仲がよくって、いつも一緒に仕事をしていた。
僕はそれを微笑みつつ眺めていた。

「米井さんてどこに住んでるんですか。」
徹夜で入稿し、くたくたになった水曜の朝に2号が言った。
僕とバイト三人はぐったりしながらロビーにいた。
1「米井さんて謎多いよなー。」
3「仕事中に切羽詰ってんのに独りだけ歌うたってますよねえ。あれなんなんすか。」
「大人のよゆー。」
1「だはははは!かっけえ!」
3「一人暮らしなんすか。」
2「あーそれちょー気になるー。」
「うんまあ…」
3「これから遊びに行っていいっすか。」
「ええ!いまから?」
1「いいじゃないすかー!たまには四人でなんかしましょーよ!」
2「そーですよ!たまには!ババンと!」
「ば、ばばん…

そんなわけで昼に来た三人は僕とミリの部屋に上がりこみ部屋の隅から隅まで物色して夕方帰った。
エジソン屋から帰ってきたミリはそれを聞いて怒った。
「米井さん。なんで勝手に入れるんですか。この部屋は米井さんだけの部屋じゃないんですよ。」
「ごめんよー。でもいいじゃんか!別に汚して帰った訳じゃないし…。」
「そうゆう問題じゃねんだよ!」
「じゃーどうゆうもんだいよ。だいいちこの部屋の家賃だってまだ僕が払ってんだよ?だからちょっと位。」
「…じゃああたしのこと追い出す権利も持ってると思ってるんですね。」
「え、あ、いやそんなこと言ってる訳じゃ。」
「いいですもう。あったまきた。もう寝る!ほんとにあたしの気持ちが分からないんだから!」
「ちょ、待て!」
しかし僕は謝らなかった。男が廃る!と思ったから。つづけ。

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