コメとミリ(2)

そんな感じで付き合い始めた。
僕はその後ついに童貞が捨てられるんだー、女の子のアレってどうなってるか分かるときがついに来たオオゴッド!とは考える余裕なんてまるで無く、本当は脱臼の痛みで倒れそうになっていた。ミリと僕は夜間診療をやっている病院に行き、治療をしてもらった。帰り道、ギブスを装備した僕はなんとなく喧嘩してこんなんなっちゃったんだぞこの野郎。喧嘩なんかしちゃう僕かっこいい等とは思わず、こんな大怪我を身長150センチあまりの女の子にさせられたさみしさでいっぱいだった。
ミリはアパートまで来た。そして思いのほかきれいな僕の部屋にいささか拍子抜けしたような顔をして、そして僕らはコタツに入ってコーヒーを飲んだ。
「…意外にきれいにしてんじゃん。あーあたしやることなくなっちゃったなあ。」
「や、やることならまだあるんじゃないですか?」
「おい調子にのんなよこの野郎。」
「すいません。」
「別にいいですけどね。」
「え。」
「嘘。」
女の子って良く分からない。
「じゃあ今日は帰っちゃうの?」
「あんたは女の子の気持ちがほんとーに分からない人なのな。」
ミリはコーヒーをごくりと飲んで笑った。その笑顔がとても可愛らしかったので僕は後ろに倒れこんでしまった。
「やっ、どうしたの!?、腕、痛む?」
「そんなんじゃないですよ。小林さんの笑顔がかわいい。」
あわててこっちに駆け寄ってきた、とはいえコタツの向こうからこっちに来ただけなんだけれど、ミリは本当に嬉しそうに笑った。笑顔ってこぼれるってゆうけどほんとだな。
「なにいってんだか!きもいですよ!」
「なにお!」と言おうとしたが、口を開こうとした瞬間にミリの顔が急激に近づいてきた。やべえ!キスだこれは!どうしよう歯磨いてねえ!と思う間もなく僕らはキスをしていた。僕はずっと目を開けていた。

そして話はブーメランのように前回の前半部に戻る。
会社を辞めたのは初めてミリとキスをしたちょうど一週間後。その間ミリはずっと僕のアパートに居た。そんで布団を一日に何回も干したり取り込んだり(なんか寝てたら痒くなったらしい)、僕のジャージを着て本屋に行ったり、埼玉博物館に行ったりしていたらしい。
「会社辞めちゃったよ。」
僕はこれでミリと一日中一緒にいられるなあうれしいなあ、と思っていたので、その日はケーキを買って帰った。
その話をするとミリは徐々に険しい顔になっていき、
「えーと、生活はどうすんの。生きてくのってタダじゃあないんだよ?知ってるでしょ。公共料金、払わなきゃ一ヶ月位で死ぬよね。ご飯買わなきゃ一週間よ。どうすんの。ねえどうすんの。」
「うむむむむ。ねえミリちゃんは以前どこで生活してたの?」
「与野。それがなにか?」
「こないだ言ってたよねえ。僕んちと同じ広さで家賃が4万なんでしょ?僕一応貯金あるし、知り合いの居る会社が与野本町だから、つまりミリちゃんちに住みたいんだ僕は!そうしよう!」
「うーうー。確かにあたしだって無職だし、貯金だってあと3ヶ月も家賃払ったら底尽くしなあ。…あたしの部屋の方が居心地いいし…うーん。」
結局次の晩からミリの家に住み着くことになった。僕はコンピュータと洋服以外を全部売り払い、出来たお金でミリに靴を買ってあげた。よろしくおねがいします、とゆう意味だよ、と言ったら「じゃああたしも」と言ってでかいアイロン台をくれた。ちょうどいい高さのパソコンデスクになった。
僕はまだ童貞のまま同棲とゆうか、女の子との同居を始めた。つづけ。

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