その昔、といっても十五年位前とゆう、昔とゆうには最近過ぎる 僕がまだ小学生になるかならないかのそのころから、うちの近所 には立派に祭られたお稲荷様がある。もともとおんぼろ社だった のをある家族が建て直したのだった。
お稲荷様は狐の、商売繁盛の神様としてその謂れは江戸時代より もさらに遡るとゆう。
うちの近所のお稲荷様はこんこん様と呼ばれ親しまれていた。
その反面恐れられてもいた。
と、ゆうのはこんこん様は油揚げと鼠をお供えすればどんな願い 事も叶えてくれると評判であったが、問題はその後だった。
人間とゆうものはそのときは心から感謝をする。
が、一日経ち、三日経ち、一年も過ぎるとこんこん様に助けられ たことなどはすっかり忘れてしまう。
そうしてすっかり忘れてしまったころとうとうこんこん様はお怒 りになられる。

僕の近所に住んでいたあんちゃんは大学に受かりたいがために冗 談半分で油揚げのお供えをした。そして結果都内の国立大学に合 格した。
大層喜んだ家族はまた油揚げをお供えし、日参(毎日通うこと)し ますと約束し、しばらくは油揚げとともに日参していた。
しかし彼が大学を卒業してからはとんとその約束は途絶えてしま った。すっかり安心しきった母親はもうよかんべえ、と止めてし まったのだった。
それからまもなく彼は気が触れたようにうわ言を毎日呟くように なり、近所からは「こんこん様に祟られた」とゆう噂が広まった。
その家族は神主を呼んで懸命に謝ったが彼は一向に良くならない。
それどころかその妹も徐々に様子がおかしくなり始めた。
困憊した家族はうちこと青木家に相談しに来た。
うちの祖母は「高崎のおばあ」を紹介し、その家族が相談に行っ たところ「お稲荷さんの社を建て替えろ」とのことだったので、 早速きれいに建て直したところ、彼とその妹の症状は一気に改善 したとゆう。
それからその家族はもう十五年間も毎日誰かしらが日参している。
おそがいのう。

 

 

 

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